血圧のしくみ
血液は人が命を維持していくために必要な酸素や栄養を体中に張りめぐらされている血管を通ってからだの隅々まで運んでいます。成長するために必要なホルモンも特定の器官まで届けています。また、新陳代謝によって出た老廃物を、体の外に排出するために運んでいます。血液は、心臓の収縮と拡張の動き(ポンプ作用)によって動脈を通り全身に送られ、静脈を通り心臓に戻ってきます。
血液と心臓のしくみを少しおさらいしてみましょう。心臓はポンプのように血液に圧力をかけ、血管へ送り出します。血液はまず、動脈を通って全身の細胞に酸素や栄養分を運びます。次に、静脈を通って老廃物などを回収する役割を担い、再び心臓に戻ってきます。こうした心臓による血液循環で、人間の生命は維持されているのです。
血圧とは、この際の血液の圧力によって血管壁が押される力のことで、心臓から送り出される血液の量(心拍出量)と、血管の硬さ(血管抵抗)によって決まります。心拍出量が大きくなれば血圧は上がり、血管抵抗が小さくなれば、血圧は下がるという関係にあります。
血圧とは、血管の中を流れる血液の流圧を意味しますが、その圧力は血管の部位によって異なります。血圧は、心臓から押し出される圧力と血管内を流れる血液の量および血管の抵抗によって決められます。それを式で表すと、血圧=心拍出量×抹消血管の抵抗となります。
血管と血圧
血液は心臓の左心室が収縮することで心臓から送り出され、体中を通って再び心臓に戻ってきます。その間、大動脈、小動脈、細動脈、毛細管、細静脈、小静脈、大静脈といった血管を通ります。血管を流れていくために必要なのは血圧です。
私たちの体は、血液の循環によって保たれています。血圧とは、その血液の流れる勢いを数値に置きかえたものです。血管の内側に脂肪がついたりして細くなると血圧は高くなりますし、血液の成分がドロドロになっても血圧が高くなります。松本市熟年体育大学の受講生を対象に調べてみると、軽い運動を取り入れて生活した人の血圧が下がっていることがわかります。運動は、高血圧の改善に効果があるのです。
血液は心臓のポンプ作用によって心臓から動脈に送り出され、大動脈→細動脈→毛細(末梢)血管を巡り、静脈から心臓へと送り返されてきます。このとき、血液を全身に円滑に流すための収縮と拡張の動きが血圧を作り出します。同じ1人の人間であっても、心身の状態、測定環境、測定時間、測定体位など、さまざまな要因で血圧は変化します。
低血圧とは
高血圧には世界保健機関(WHO)等による国際的な基準がありますが、低血圧にはこのような基準は現在ありません。 血圧が正常よりも低い状態、つまり、一般に収縮期血圧(最高血圧)100〜110Hg以下を低血圧といっています。また、急に立ち上がったり、長時間立ち続けていると血圧が下がり、立ちくらみやめまいなどの症状があらわれる場合には起立性低血圧と診断されます。なお、低血圧の診断尺度としては、主として収縮期血圧が目安とされています。
本態性」とは原因が明らかでないということ。特別な原因がなく、血圧だけが常に低い状態が本態性低血圧。いわゆる「低血圧体質」だ。産まれつきのもので、遺伝性があると考えられている。何らかの症状がある場合、めまい、立ちくらみ、頭痛、頭重感、耳鳴り、肩こり、不眠、倦怠感、疲れやすい、寝起きが悪い、動悸、便秘、食欲不振、下痢、胃もたれ、胸やけなどさまざまな不快症状を訴えることがある。
低血圧治療は一般的注意と薬物療法に分けられます。十分な睡眠、適度な運動、規則正しい生活を心がけます。人混みや、猛暑の時に症状が出現、増悪する人も多く、このような状態を避けるように注意します。症候性低血圧の場合は、原因疾患の治療と原因の除去を行いま低血圧の薬物療法には精神安定薬、自律神経調整薬、昇圧薬等が用いられます。
起立性低血圧症について
正常の人では、立ちあがったときにふらついたり、気を失ったりすることはありませんが、このような症状の出る時を起立性低血圧症といいます。立ちあがったときが最も症状は出やすいのですが、他に、赤信号で立ち止まったり、帰宅して玄関先でドアを開けようとしている時や、炊事仕事中、立ち話などでも出現します。要するに立ちつくしているときに出やすい症状なのです。フラーッとした時にしゃがみ込んだり、横になれば直ぐに回復しますが、意識を無くして倒れる時、場合によっては打ち所が悪く大怪我することが問題です。
起立性低血圧の人は、起立すると脳をはじめ全身臓器への血流が低下するために様々な不快な症状がでると考えられています。反対に身体を横にするとふらつき、めまい、体のだるさなどの症状が軽くなります。
検査をして、低血圧以外に特別な異常がなければ、不快症状を取り除く治療をするだけで、そのほかの特別な治療は行われないことが多いです。それでも、不快症状に悩まされるときには血圧を上げる薬を使うこともあるが、必ずしも不快症状が改善されるとは限りません。また、原因がはっきりとわかっている場合は、その原因を取り除く治療が行われます。
高血圧について
血圧とは、簡単に言うと心臓が血液を全身に送り出す際の圧力のことですが、この圧力が基準値以上の状態が続くと高血圧といい、これが一般に言われる高血圧のことです。高血圧自体の自覚症状は、あまり明確ではありません。しかし、高血圧を放置しておくと、動脈硬化を起こし、やがて心臓病などの合併症をおこします。高血圧の恐ろしさは、この合併症にあるのです。
血圧は、日常生活の様々な影響を受けて常に変動しており、たまたま測った血圧が高かったとしてもそれだけでは病的な状態とはいえません。血圧をくり返し測っても高血圧の基準値よりも高い場合に高血圧症と診断されます。日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインでは、収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上を高血圧と定義しています。
高血圧の治療は、症状に応じて治療計画を立ててすすめていきます。治療方法は、生活習慣の修正と、薬物療法を組み合わせて行います。生活習慣の修正とは、高血圧の原因となる肥満や塩分の採り過ぎ、運動不足などの生活習慣を見直すことで、高血圧の症状を進行させないためのものです。こうした生活習慣の修正だけでは改善しない場合に、薬物療法を併用していくことになります。薬物療法とは、降圧薬によって血圧を下げることで、合併症や臓器障害を防ぐ方法です。
外来血圧と家庭血圧
血圧は、病院で測る場合と、家庭で測る場合で、数値が異なることがわかっています。ちょっと冗談みたいな話ですが、本当の話です。病院と家庭の数値では、10〜30mmHgもの差があるのです。
家庭血圧は、朝(起床後から朝食前)と夜(夕食2時間後から就寝前)に測定するのが理想的です。朝は、排尿後に座って静かにして測りましょう。測定時は腕帯(カフ)を心臓の高さに保つようにします。1回でも悪くはありませんが、できれば2、3回測るほうがよいでしょう。血圧は毎日測って記録するのが望ましいことですが、厳密である必要はありません。時々でもいいから測ることが重要なのです。
病院で測る血圧は、どうしても測定頻度が少ないために緊張しやすい方や家庭血圧との差が大きい方では治療自体がうまくいかない場合があります。しかし、家庭血圧は毎日測定することができる為内服薬を変更した後に、徐々に血圧が下がってくることを確認できたりたくさんの長所があります。血圧は、運動や食事、入浴等によっても変動しますので、毎日血圧を測りり長い目で血圧の変動を見ながら、治療をしていくことが重要です。
拡張期血圧(最低血圧)と収縮期血圧(最大血圧)
血圧を測定する時にふたつの値が記録されますが、収縮期血圧(最大血圧)と拡張期血圧(最小血圧)といいます。心臓は、収縮と拡張を繰り返すポンプのような働きをすることで、血液を送り出しています。心臓が縮んだときには、血液が送り出され、血管に高い圧力がかかります。これが収縮期血圧(最大血圧)です。反対に、血液を送り出した心臓が拡張して、肺などから血液を吸い込みます。このときに血圧は最も低くなり、これを拡張期血圧(最小血圧)といいます。また、最大血圧と最小血圧の差を「脈圧」といいます。
低血圧より高血圧の方が問題視されるのは、高血圧の状態が長く続くと色々な合併症を引き起こす危険性があるからです。実際に高血圧の人を調べてみると、血圧値が高いほど死亡率も高いことがわかっています。
最近は、血圧を病院等での測定だけで評価や治療するのではなく、自宅で測定した血圧も評価した上で治療を進めるほうが良いと言われています。
それは、早朝高血圧など家庭で血圧を測らないと分からないことがあり、かつそれが高血圧の合併症の予防にかかわる重要なことだからです。
血圧計の選び方
血圧の測定方式には、コロトコフ法(聴診法)とオシロメトリック法があります。血管に血液がぶつかる音(コロトコフ音)を聞いて測定するのがコロトコフ法です。WHO(世界保健機関)では、コロトコフ法を推奨しているため、病院では通常この方法が採用されています。オシロメトリック法は、止めた血流が流れはじめる時の動脈壁の振動を、センサーでキャッチして測定する方法で、家庭で普及しているのはほとんどこのタイプです。
最近では様々なタイプの血圧計がありますが、血圧の測定は、上腕で行うのが一般的です。手首や指先で測定する簡易タイプのものは、血圧が変動しやすいため、測定値は目安程度に考えてください。上腕部を測る、操作が簡単なタイプのものがいいでしょう。また、24時間自動で記録される血圧計もあり、専門的施設では使用されています。1日のどの時間に、どのような血圧の変化があるか知っておくことは、血圧のコントロールに役立ちます。
また上腕型は精度もよく、安定した血圧が測定できます。長期間にわたって血圧の経過を知ることが家庭血圧を測る目的なので、負担にならず、一定条件で測れることを重視します。まず、測定時刻は夕食前か就寝前がよく、帰宅が不規則な人は朝の出勤前などにします。家庭血圧は最初は高く出ることがあるので、3回繰り返し測定し、最初の値を除いた平均値をとります。
血圧の正しい測定方法
血圧の測定方法は腕帯型水銀血圧計による間接的な測定法が広く用いられています。この測定方法では、測定の条件をできるだけ一定にすることが必要です。そこで、医療機関では、正確な測定を行うために、血圧測定のガイドラインに沿った測定を行っています。ガイドラインでは、15分間以上の安静座位の状態で測定する、測定30分以内にはカフェイン含有物を摂取したり喫煙をしない、というようにきめ細かく規定されていま。
血圧の測定方法は服はまくり、裸の二の腕にカフを巻きます。 カフは肘関節にかからないように巻きます。 腕は机などに乗せ、心臓と二の腕が同じ高さになるようにする。必要があれば枕などで支持をし、腕は前に伸ばして、二の腕の力を抜き、極端に腕が太い人は大型カフを、極端に細い人は小型カフを用いるのがベターです。
血圧はちょっとしたことで上昇します。冷たい水で顔を洗う、トイレで力む、重い荷物を持つ、入浴する、パソコンなどの細かい作業を行う、渋滞でイライラするなど、血圧を上昇させる要因はさまざまです。血圧は、測る時間や環境、手順によって変動するものです。環境をきちんと整えて、正しい手順で、規則的に測定する習慣を持つことが、血圧の管理には大切です。
高血圧の解消法
高血圧は、自覚症状がほとんどないので、気がついた時には、血管や心臓や腎臓などに障害が出ている場合があります。高血圧の状態が続くと、動脈硬化が進行し血管が弾力を失い傷つきやすくなります。この結果、血管の内側が狭くなり血流が悪くなってしまいます。このことから高血圧が続き動脈硬化が進むと血管や心臓や腎臓などに障害起こりやすくなります。
高血圧の状態が続くと血管が傷つき、脳、心臓、腎臓、眼底などに障害を起こし、放置すると動脈硬化が進行し、脳卒中などの死に至る場合もあるので注意しましょう。 高血圧を改善させるには、まずは食事を改めること特に塩分には気をつかいましょう。
高血圧の1次予防の対策に重要なのは生活習慣の改善です。生活習慣の改善で心がける事は食事、運動、喫煙、飲酒、肥満、ストレスなど多岐にわたります。まずはちょっとしたことから高血圧の予防は出来るのです。あなたの生活習慣を見直してみることからはじめましょう。